実はイギリスに入国する際にかなり嫌な思いをしました。
入国審査の女性の態度がかなり高圧的で差別的だったのです。
今、僕らは無職なので、入国カードの職業の欄に無職を意味するunemployedと書いていろいろな国に入国しています。働いているとか学生と書いても別に良いのですが、しつこく聞かれたときに嘘がばれると厄介なので、正直に無職と書いて旅行しています。元サッカー選手の中田さんも引退後、世界旅行をしているのですが、入国カードの職業欄にはumemployedと書いていると言っていました。
今回、イギリス入国にあたっても、僕らはunemployedということで入国審査を受けたのですが、僕らを担当した女性が「へぇ、仕事してないんだ?」から始まって、「旅行費用は誰が払ってるの?」と聞くので、「今は働いていないけど、少し前まで働いてたので、旅行費用は自分達で払ってます。」と言うと、「旅費は幾らなの?」と聞いてきました。イギリスに入国するだけなのに、なんで僕らの旅行の予算なんか聞くんだと、最初質問の意図がわからず、少し戸惑っていると、急に声を荒げて「簡単な質問よ。わからないの?旅費は幾らって聞いてるの?」と言ってきました。「1,500,000円くらいだから、10,000ポンドくらいかな。」と言うと、「ふーん、けっこうお金ないんだね。」と言ってきます。いくらの予算で旅行をしようがお前には関係ないだろ!?と思ったのですが、入国で引っかかると面倒なので、一応、質問には答えたのですが、そこから「どこの国に行ってきた?」だとか、「これからどこの国に行くんだ?」と言う事を必要以上(だと常識的には思う)にしつこく聞かれました。それで少しでも回答が遅れたり、英語でつまずくと、また「これは簡単な質問よ。わからないの?」を繰り返してきて、その言い方がなんていうか、僕らのつたない英語や旅行をバカにするような感じがして、かなり嫌な気分になりました。いままでで、世界中で一番ムカつく入国審査員でした。
まぁそんなこともあって、かなり嫌な気分にさせられたのですが、僕はロンドンには3度目だったし、少し長く滞在していたこともあるので、ロンドンの良い所も沢山知っているし、今までのイギリス入国の際は、親切とまでは言えないにしても、特に問題なくすんなり入国することが出来ていたので、そのムカつく審査員一人くらいでは、ロンドンに対する印象はそこまで悪くならなかったのですが、兄はロンドンに来るのが2回目で、前回来たときも数日しか滞在していなかったせいか、今回のことでかなり気を悪くし、その後のロンドンの人々にも悪い印象を持ってしまっていました。基本的にロンドンの人達は親切ではなくて、他人のことには関わりたくないといった感じなのですが、そういうロンドンの人達の気質もこのときの兄にとっては嫌悪の対象になっていたみたいでした。
それで、僕がスペインに対して「粗野だ。」と言った(と少し言い過ぎてしまったのかもしれませんが)ことに対抗してか(どうかは定かではないですが)、「イギリスの方が数倍は粗野だ。」と言い出しました。
でもイギリスは決して粗野な国ではありません。
日本と同じような美しい田園風景を持っているし、伝統的な王室を持っているし、アフタヌーンティーなんていう優雅な時間の楽しみ方を知っているし、何より彼らは「恥ずかしい」という感覚を持っていると思います。
僕が使った「粗野」という言葉について、兄と少し話をしたのですが、僕が「粗野」だと言っているのは、決してスペインの人達が僕に親切にしてくれなかったからではなくて、スペインの人達に「恥」の文化や感覚が見受けられなかったからです。(これも僕が個人的に感じたことなので、実際にスペイン人に聞いたら、恥の感覚はもちろんあるよと言われるかもしれませんが。スペインの人、ごめんなさい)
大人になるということは、少なくとも「恥」を知ることだと思います。
かつてルース・ベネディクトが「菊と刀」で分析したように、日本は「恥の文化」の上に成り立っていると僕も思います。契約や法によって禁止されているからやらない、というより「恥」だからやらないということの方が僕らの感覚に近いように思います。日本人の行動原理に「恥」という感覚が(最近はそうでもないこともありますが)基本的には影響しているのではないでしょうか。
そういう意味で日本は非常に成熟した文化を持っていると僕は思っています。
「恥の文化」があるなと僕が感じた国は、イギリス、フランス、フィンランド、中国(共産党除く)などです。
逆にトヨタ問題で検証の捏造をしたり、ロト6的感覚で集団訴訟を起こそうとしたり、捕鯨船に体当たりしておいて被害者を声高らかに演じてみたり、盗撮を流してアカデミー賞を獲っちゃたり、条約を無視して過去の戦争の法的責任を掘り返したり、疑惑の判定をしてみたり、疑惑を説明しないまま幹事長や総理の座に居座ってみたり、そういう国や団体、人達のことを「恥」を知らない「粗野」だと僕は思います。
イギリス人にも粗野な人は確実にいると思いますが、イギリス自体は決して粗野な国ではありません。
なかなか素敵な国だと思います。
他人が嫌がるようなこと、他人を貶めるようなことは恥ずかしいことだから、僕はやりません。
その入国審査員にはかなり嫌な気分にさせられましたが、人の振り見て我が振り直せということだと思って、悪いサンプルにしようと思います。
おいしい紅茶が飲みたくなってきた!
返信削除昔いったロンドンで買った(店の名前は忘れた大きなティーショップだったような)、
バラのジャムが超おいしかったな…。
紅茶、めちゃめちゃ飲んだよ。
返信削除ロンドンでは一度もコーヒーを飲まないことにして、紅茶を飲むことにしてた。
紅茶にミルクを入れて、温かくして飲むがいいですね。落ち着く。