2010年3月28日日曜日

Day58 CASA吉田



今、カンクンでいわゆる日本人宿と呼ばれる宿泊施設に泊まっています。
日本人宿と呼ばれているところにはどうやら2種類あるらしく、①いつのまにか日本人ばかりが宿泊するようになった結果的日本人宿と②最初から日本人しか宿泊できませんよとしている本質的日本人宿があるそうです。
今、僕が宿泊してるCASA吉田という日本人宿は後者で、日本人しか宿泊することができないところです。

今までずっと、Hostelbookers.comというユースホステルやホステル、安宿専門の宿泊予約サイトを利用して宿泊先を決めていたのですが、ここに来て、日本人宿に泊まってみようと思い立ちました。

理由はとりわけビーチリゾートにおける西洋人のはちゃめちゃなノリにちょっと付いていかれないと思ったからです。

ここカンクンの日本人宿でもいろいろな人に出会いました。
みんなそろいもそろって兵揃いで呆れてしまうほどです。

まず、アヤミさんという女性がいました。僕より2つ年下の女性なのですが、彼女は10代の時にイタリアに渡って3年間イタリア料理のレストランで働いていたそうです。その後、一度帰国して、ワーキングホリデーをしながら今は2年半程、一人で旅をしているそうです。僕より2つ年下ですが、かなりたくましい女性です。

同室にはヨーヘイ君と僕と同じ歳の男がいて、彼は今6週間くらい旅をしていて、これから南米に行くそうです。帰国はあと5ヵ月後くらいを予定しているけど、場合によっては帰国を先に延ばすかもしれないと言っていました。イタリア人の女の子とアルゼンチン人の女の子とどこかで知り合ったみたいで、一緒にビーチに行くと言って、ニヤニヤしながら毎朝出かけていきます。そんな男は死ねばいいのにって思います。彼は6週間旅行をしているだけで、かなりスペイン語が話せるようになっていて、ガイドブックの後ろの方に付いている簡単旅行会話集に載っているフレーズ程度なら、だいたいわかるそうです。実際にテストをしたのですが、ほとんど理解していました。しかも、この旅に来るまでスペイン語を勉強したことは一度もないそうです。おそるべし語学能力です。きっと旅を終えて日本に帰ってくるころにはスペイン語とポルトガル語がぺらぺらになってるんだと思います。

もう一人同室に坂元君という、これまた僕と同じ歳の男がいます。彼はちょっとした有名人です。彼は「世界の国からコンニチワ」というブログを書いているのですが、彼のこのブログは旅行ブログ村というサイトの世界一周部門で第3位になっているそうです。1日に5000アクセスくらいあるそうです。5000アクセスがどれくらいすごいかというのは、僕のブログについているアクセスカウンターを見てもらえればすぐにわかります。僕のブログのアクセスカウンターの数は一日分でなく累計分です。彼も僕と同じニート(でも僕は次の仕事があって未来は明るいけど、彼のは暗い)で、大学を卒業して、新卒採用で社会人になり3年で会社を辞め、旅に出るという典型的なダメ人間です。今まで8ヶ月旅行をしていて、これから南米を旅行して8月頃に帰国するそうです。
彼とはなかなか気が合って、明日一緒にチツェンイツァに小旅行に行くことになりました。

他にも夫婦で長い期間旅行をしている人や、女性一人で南米を3ヶ月旅行する人など、兵揃いです。なんだか日本人は何をするにも凝り性でストイックなんだなぁって思いました。

今まで泊まっていたユースホステルみたいなところで知り合った外国人にも長く旅行をしている人(イギリス人のマルコスとか)もいましたが、数週間程度の旅行者がほとんどでした。比べて日本人宿で出会った日本人旅行者は平均して、長期間の旅行をストイックにこなしている人が多いです。長く旅行をすればすごいっていう単純なものでもないとも思いますが、やはり長く旅行をするのは大変なことで、すごいことだと思います。
日本人は鮮魚の保存技術にしてもお茶やコーヒーの淹れ方にしても、どの国の人よりもこだわり、なんでもかんでも所謂○○道というレベルにまで持ち上げようとするように感じます。きっと歯の磨き方にしても日本人の磨き方はものすごいんじゃないかって思います。やっぱり日本は国民総ヲタク国家なんです。


ところで、「旅」と言うと、ちょっとストイックな感じがします。「旅行」と言うのとは少し違った印象を持つ言葉です。
これは「ハム人間」と「ハムの人」という言葉が持つ印象や意味が違うのと似ている気がします。「ハム人間」というのは悪魔の実の一つ「ハムハムの実」を食べた超能力人間で、触れた物をなんでもハムに変えてしまうという特殊能力を持っている人のことを言います。一方「ハムの人」というのはお歳暮に決まってハムも届けてくれる人、別所哲也のことを言います。「ハム人間」の方が「ハムの人」より凄まじく強そうです。
同じように「タビ」の方が「リョコウ」より凄まじく強そうな印象があります。辞書上は同じ意味を持つ言葉なのに、意味世界が大きく違うというのは不思議なもんだと思いますが、きっと映画や小説などを通じてそれぞれの言葉が持つ意味世界の住み分けが自然と出来上がったんでしょう。

カンクンの日本人宿で知り合った人々の話を聞いて、僕の旅行はやっぱり「旅行」だなと改めて思いました。いつか、「旅」に出掛けることができたらいいなぁと思います。まぁ同じくらい煩わしくも思うのですが…。

2 件のコメント:

  1. やっぱり旅先のユースで出会う人との話って面白いよなって思う。
    とりわけ日本人宿って日本でその人たちとすれ違っても話をすることなんてまずないしね。こちらの外国語の言語力に乏しいから積極的に利用していた覚えがあります。

    なんかブログ読んでたらメキシコすごい楽しそうじゃん!
    中南米に行きたくなってきたよ・・・。

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  2. メキシコは面白いです。想像以上です。
    君も仕事を辞めて旅にでもでるんだな。仕事なんか辞めちまえ!

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