2010年2月10日水曜日
Day13 アムステルダム美術館廻り
アムステルダムの2大美術館にいっきに行ってきました。
朝11時の開館を待ち、まずは国立ミュージアムとして知られるRijiks museumに行きました。ここにはフェルメールが3点、レンブラントが十数点、フランス・ハルスが数点所蔵されています。この3人はオランダ黄金時代の3大巨匠と呼ばれています。
オランダは1600年代半ばオランダ東インド会社を通じて得た莫大な富を背景にいっきに黄金時代へと駆け上ります。一時的にではあれ、当時の州提督であったウィレム3世はイギリスの王位を奪ったほどでした。今のニューヨークももともとはニューアムステルダムと呼ばれ、日本との貿易もこのころは盛んで、陶磁器や版画などが多く日本から輸入されていました。当時、世界の海(7つの海)を制していたのはオランダでした。
この黄金時代のオランダ共和国(ナポレオンに征服されてから、オランダ王国になります)の有力者達が、海軍力と貿易力を駆使して築いた莫大な富を使って贅を尽くした美術品、調度品などがこの国立ミュージアムに多く残されています。
当時はギルドという同業者組合のようなものがあって、各ギルドが自分達の建物に飾るための絵画を、例えばレンブラントなどの画家に描かせていました。
よほど当時のオランダ商人たちは裕福で浮かれていたのか、残されている作品の端々に余裕や笑い、浮かれた様子などが見て取れます。普通ポートレイト画に描かれている大人の男や女が白い歯を見せて笑っているなんてことは、大人の嗜みとしては恥ずかしい行為であったため、まず見られないそうですが、この時代の絵画に描かれている人物達は笑いを抑えるのに必死な様子です。
まぁ、そのとき浮かれすぎてしまったのでしょう。
この国立ミュージアムはあまり広くないので、2時間もあれば充分すぎるほどじっくり鑑賞することができます。
レンブラントの有名な「夜警」もここに収蔵されています。
またしてもWOK TO WALKでチャーハンを食べて、午後から、今日はかなり調子が良かったので、ゴッホ美術館に行きました。
美術館に行くと、小説の中の世界をじっくり考えながら読むのに似た疲労感を感じます。
ゴッホ美術館も意外と小さく、5年ほど前に東京で開かれたゴッホ展の方が、展示作品数も多かったように思います。それでもゴッホの生涯について、ゴッホが27歳の時に画家になってから、オランダでの出発から、アントワープ時代、パリ時代へと、ゴッホの画風がいっきに色彩に富んだ印象派的なものに変化していく様子が展示されています。その後、アルルへ行き、ゴーギャンとの決裂、耳を切り落としサンレミでの病院生活中に描かれた、感情付きの作品が展示され、1890年に亡くなるまでの最期の期間を過ごしたオーヴェールでの悲しいタッチの作品が最後に展示されています。オーヴェールで描かれた鳥のいる麦畑は精神状態に悪影響を及ぼすほど、悲しくて寂しいイメージを連想させる一枚でした。
僕が一番気に入った作品はサンレミ時代に弟のテオに息子(フィンセントという名前)が生まれたときに送ったアーモンドの木の花の絵でした。
今日は二つの美術館を見学して、芸術とオランダの歴史について少し勉強になりました。
今日もかなり寒かったのですが、がんばって何枚か写真を撮りましたので、アルバムにアップします。
書きませんでしたが、ベルギーでの写真もすでにアルバムにアップしてありますので、良ければ見てください。
◆アルバム(アムステルダム2010-1)
http://picasaweb.google.com/satoshimaejima/Amsterdam20101#
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寒そう!
返信削除だけど、気持ちよさそうな天気ですね。
もっと、この時期ってヨーロッパ特有の、あのどんよりとした曇り空と冷たい雨ばかりだと思ってました。
気候とそこに生きる人間の人格形成は大いに関係あると信じています。気候は環境だし。
ゴッホは感情の人で、個人的には大好きな画家です。
いつも心臓をわしづかみにされて。感情が激しいなぁ…と。
昔、ロンドンのナショナルギャラリーで見た、
「ひまわり」はまさにそれ。
もし同じ時代に生きていたら、追っかけやってます笑。
フェルメールも見れたんだ、、、
やっぱいいな、アムステルダム。
いつか行きます。
コメントありがとう。
返信削除こっちは1日晴れて、2日どんよりとした天気が続いています。結構寒いです。
日本人の性格は6月の雨のせいなのかもしれませんね。でもきっと僕の周りは、6月に晴れていて、10月に雨が続いていたんだと思います。
ゴッホは実はあまり好きじゃなかったんですが、美術館に行き、彼は人の気を惹きたいんだけど、あまりに不器用で、そのことですごく寂しかったんだと感じました。僕の周りにもそういう男が何人かいます。
とくにサンレミ以降の作品は彼の寂しさや人間の本質的弱さみたいなものが、如実に表れています。
オーヴェールで描いた「カラスのいる麦畑」という作品はあまりにも寂しく、ずっと見てられないような作品でした。
僕も「ひまわり」は好きです。
アルルで描かれた「ひまわり」はゴッホが人生の中で一番制作に前向きで夢を持っていた時期のものです。植物なのに、植物以上に生命に溢れているような躍動感があって、やっぱり僕も圧倒されました。