どうもオランダにはオランダ料理というものがないらしい。
アムステルダム来てから、僕が食べたものを順にあげていくと、ピッツァマルゲリータ、炒飯、パンケーキ(オランダのパンケーキは、日本で言うものとは違って、クレープ生地の中に具材を挟んで、または乗せて食べるものです。フランスのガレットに近いようなものです)、炒飯、スパゲッティカルボナーラ、アルゼンチンリブロースステーキ、フィッシュ&チップス、ハンバーガー、炒飯です。
イタリアンが2回、中華が3回、アルゼンチン料理が1回、イギリス料理が1回、アメリカ料理?が1回、オランダ料理?が1回です。
ただ、パンケーキをオランダ料理と呼ぶかどうかということには少し疑問があります。確かにアムステルダムにはパンケーキハウスと呼ばれるパンケーキ専門店(といってもピッツァや肉料理、魚料理なんかも置いてあります)が数多くあります。パンケーキ料理という呼び方もオランダ独特のような気がします。ベルギーやフランスであれば、同じものをクレープ料理と呼んで、クレープリーというクレープ専門店で食べれるでしょう。イタリアならピッツェリアでピッツァになって出てくると思います。
ですが、オランダのパンケーキのメニュー表には例えば、マルゲリータ、カルボナーラ、カルツォーネ、フンギ(イタリア語でキノコ)、クワトロフォルマッジォなどとイタリアのピッツァやパスタの名前が並んでいて、もちろん味付けはイタリア風になっています。ピッツァの具材をパンケーキに挟んだだけという感じです。
ガイドブックを見てみても(地球の歩き方/オランダ・ベルギー・ルクセンブルク編)、オランダ料理のページに紹介されているオランダ料理はかなり怪しいものばかりです。
例えば、「アイツマイター, Uitsmijter」というものがあり、これはどこからどう見てもクロックムッシューです。説明にも「2切れの食パンの上にチーズやハムをのせ、さらに目玉焼きをのせたオランダ風オーブンサンドイッチ。云々…ボリュームたっぷり、栄養満点」と書かれています。食パンにチーズやハムをのせ、目玉焼きをのせて、どうしたらオランダ風になるのか、よくわかりません。きっとオランダで食べるからオランダ風なんでしょうか。
他にも、「ズールコール, Zuurkool」というものが紹介されており、「ドイツではザウワークラウトとして有名な、少し酸味のあるキャベツの酢漬け、オランダでもソーセージなどの付け合せに、よく登場する。ビタミンCが多く含まれているため、旅行中の野菜不足には欠かせない一品といえそう。」とあります。これは間違いなくドイツ料理のザウワークラウトです。
さらに度肝を抜かれるのが、オランダ料理というタイトルのページにこれらの料理とならんで、「インドネシア料理」と書かれていることです。「焼き鳥のようなサテや目玉焼きなどがのったチャーハンのナシゴレンなど親しみやすい料理も多い。」と説明されています。これは完全にインドネシア料理と言ってしまっています。
このようにガイドブックも苦肉の策を取らざるを得ないのがオランダの食事情なのです。
でも、なぜオランダには食文化が育たなかったのか、不思議でなりません。
17世紀の黄金時代に経済面や芸術面では世界中を圧倒していたのにもかかわらず、食文化がこれほど乏しいのはなぜなのでしょうか?
ネット上でみたある記事には、オランダ人にとっての食事は労働を終えた後に食べ、栄喜を養うためのものであったので、味付けにこだわるというよりも、栄養価の高い食事が優先されてきたというようなことが書いてありましたが、よくよく考えると、それはどこの国も同じことであるし、貴族階級と平民階級で食べるものが同じであるはずがないので、おかしなことです。
もしかすると食文化というものはもっと後の時代、例えば19世紀とかから注目され、洗練されていったのでしょうか?17世紀の栄華を最後に立ち直れずにいるオランダには食文化が育たなかったということでしょうか?でもやはりそれもおかしな気がします。
海もあって、チーズも有名、ビールも有名な国、オランダ。
でもなぜかオランダ料理がないのです。
※オランダには美味しいレストランがないというわけではありません。炒め物系ファストフードチェーンのWOK TO WALKには感動して3回も行きましたし、景色のいい洒落たレストランやカフェでも洗練された味の料理を食べる事だってもちろんできます。
さて、これからもう一度ブリュッセルに立ち寄って、パリに行きます。
パリでは世界3大料理の内の一つであるフランス料理が僕を待っていてくれます。
個人的には日本料理とフランス料理だけが、他の料理と絶対的な違いを有していると思っています。それは引き算の料理(出汁の抽出)だからです。
行きたいレストランもいくつかあります。
パリでは美味しいレストランについて、いくつかの日記を書こうと思います。
それでは。
0 件のコメント:
コメントを投稿