2010年2月27日土曜日

Day29 ミラネーゼ


 ミラノにやってきました。
が、滞在は1泊だけです。
ミラノの友人には今回は会えません。仕事でドイツにいっているそうです。
ミラノの友人はニコロという名前の男なのですが、彼ともルカと同じくロンドンの英語学校で知り合いました。でも彼はルカとはまた違ったタイプのイタリア人で、まぁ早い話がルカは子供(ガキ)でニコロは大人ということなんですが、ニコロは誰に対してもジェントルマンで道の角に差し掛かると、すっと体を引いて「I go after you.」と言ってにこっと微笑みます、みんなでエレベーターに乗る時、レストランに入る時、とにかくいろんな場面ですっと体を引き、あるいはさっと扉を開けて「どうぞ」と言って微笑むのです。
くるくるしたパーマのかかった北イタリア人特有の髪と顔つきで身長も高く、絵に描いたような好青年(今では32歳くらいになっていると思いますが…)です。
当時20歳だった僕は彼の洗練されたヨーロッパ的な仕草から、西洋的に、男はいかに振舞わないといけないのか、ということを学び取ろうと思って、よく観察したものでした。
でも東洋人の顔と言語体系的に限界があるということは後々になって痛感するのでした。


とにかく仕事じゃあ仕方が無いので、今回はニコロと恋人のビビ(まだ付き合っていればですが)に会うことを諦めて、ミラノ滞在を1泊だけに減らし、ミラノの町をさっと見て回るだけにしました。

ミラノに着くと街行く人たちのお洒落度がぐぐっと上がります。
イタリア発の高級ブランドもミラノに拠点を置いていることが多いです。ミラノコレクションも毎年開催されています。
ミラノのお洒落度合いを100とすると、ローマが50、フィレンツェが25、ペルージャが15くらいだと思います。ちなみに東京は中年サラリーマンを封殺すると90くらいです。秋葉原は違うベクトルで2500くらいです。浜松は10くらいです。
そう、ミラノ(だけじゃなく、パリもそうでしたが)ではお洒落は若者のものではなく、おっさん達のものなのです。ミラノを歩く若きミラネーゼ達のモードなファッションも格好いいのですが、おっさん達のシックでエレガントなファッション、そして仕草がとにかく格好いいんです。特にミラノドゥオーモの北東にあるポンテナポレオーネという通りに入るとジローラモ氏顔負けの中年ミラネーゼ達がモデルのような娘?なのか若い女性を連れていたり、いかにも金を持っていそうな中年シニョリーナを連れて、超高級ブランド店の中に消えていきます。若い人たちもいつかはああいう中年の渋いファッションをしようと彼らを目標にしているようにも思えます。日本ではああはなりたくないなということの方がどちらかと言うと多いような気がします。笑

ジローラモ氏はナポリの出身なので、典型的な南イタリア人の顔をしています。
ニコロが前に教えてくれたのですが、南イタリアの人たちは昔からイタリア半島に住んでいた人たちで、北イタリアの人たちはあとからドイツやからやってきた人たちなんだと言っていました。南イタリア人は陽気で昼真っからワインを飲んでだらだら暮らしているのに対し、北イタリア人は一生懸命働いている、南イタリア人は小男が多く、仕草も安っぽく胡散臭い感じ(具体的にこんな感じ、とやって見せてくれたのですが、ロードオブザリングのゴラムみたいでした)なのに対し、北イタリア人は剛健で体も大きく、がっしりどっしりしてるんだよ、と、これまたにこっとしながら教えてくれました。確かになんとなくわかります。

この日はブレラ絵画館でマンテーニャの「死せるキリスト」を見て、ドゥオーモまで歩き、昼食にパニーノを食べ、市内をぶらぶら歩いて、道行く人たちを眺め、ミラネーゼに影響された兄がプラダスポーツのサングラスを買って、ジェラートを食べながらホテルまで戻りました。

イタリアはやっぱり何度来ても新鮮な国です。
今度来る時はまだ行ったことの無いナポリと南の海岸沿いの町に行ってみたいと思います。

次は北の閉ざされた大地、スカンジナビアの国々です。
健康ランド、禁断のフィンランドの本格北欧式サウナ、楽しみです。

1 件のコメント:

  1. ニコロに会えなかったのは残念だったな。

    イタリアも終わり、次はフィンランドですか。
    旅もまだまだこれからですな!

    俺はラップランドには行かなかったから、そっちの方の日記を楽しみしております。

    それでは引き続きよい旅を。

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